解体工事におけるPCB含有物の取扱いについて

・建築物の解体等におけるポリ塩化ビフェニル廃棄物(以下PCB)の取扱いについて
弊社では、解体工事着工前にPCBが含まれると思われる変圧器、コンデンサー、蛍光灯安定器・水銀灯安定器等の電機機器を、メーカー名から製造年月、ロッド番号、力率、マークの種類等を確認しPCBの有無を確認してから作業を行っております。現地確認を行い、PCBが含有する物があればお客様に適正に処理をして頂くようお手伝いをさせて頂きます。


・そもそもPCBとは何か?
PCBは、正式にはポリ塩化ビフェニルといい、不燃性や絶縁性に優れることから、かつてはトランス(変圧器)やコンデンサ(蓄電器)の絶縁油をはじめ、熱媒体や潤滑油、感圧複写紙や印刷インク、建築現場のシーリング材など様々な用途で利用されています。1960年代後半から生体への影響や環境汚染が社会問題となり、1970年代に生産、輸入、使用が中止になったのです。 ところが当時は、日本にPCBを処理する技術も施設もなかったので、PCBを含む電気機器類は、自治体が厳重に保管状況を把握した上で、そのまま持ち主が保管し続けることになりました。だから今でも、古いトランスやコンデンサは処理することができず、PCB廃棄物として地下室や倉庫、屋上などに保管されているのです。また、一部の建物では使用中のものもあります。


・PCBによる人体への影響
人間が大量のPCBを摂取してしまった場合、発疹などの症状の他にも、色素沈着や肝機能障害、免疫機能の低下などが起こることがあります。
また、発がん性の疑いがあるとされていることや、慢性的な蓄積による影響として、神経系や免疫系への影響から肺炎やウイルス性の病気にかかりやすくなることが懸念されています。さらに、PCBの体内への蓄積による胎児への影響も知っておく必要があります。
PCBなどの有害物質は人のへその緒に残留するとされています。したがって、仮に母親の体内にPCBが蓄積されると、へその緒を通じて胎児へも影響を及ぼしてしまうのです。


・PCBの取扱いについて
PCBを含む変圧器等はPCB廃棄物(特別管理産業廃棄物)に該当し、建物所有者の処理責任となりますので、工事業者は工事完了後に建物所有者にPCB廃棄物を引き渡すことになっており、PCB廃棄物は、工事業者(元請業者等)の廃棄物ではありません。したがって、建物所有者に代わって、工事業者がPCB廃棄物を処理(運搬、保管、処分)することはできません。

 

※参考資料として
「建築物の解体等に伴う有害物質等の適切な取扱い」について  パンフレットPDF版
建設副産物リサイクル広報推進会議事務局:財団法人先端建設技術センター企画部から

「ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する変圧器・コンデンサ・安定器等の」処理期限について
環境省 早期処理情報サイトから
「PCB使用照明器具の点検・判別、取扱及び保管」について
一般社団法人日本照明工業会 PCB使用照明器具に関する情報から

 

 

 


2020年01月10日